三宅里菜

福井県坂井市三国町生まれ。小、中、高を三国で過ごし、音楽大学進学と共に上京。
様々な音楽や人と出会う中、2018年、美しい日本の言葉、旋律を歌い継ぐことを使命にしているFORESTAに加入。
現在、毎週月曜午後7時から放送のBS日本こころの歌に出演中。
フォレスタメンバー最年少として全国ツアーにも参加中。

1.自然に囲まれながら、音楽に触れた幼少期


 お生まれは坂井市三国町なのですね。

 はい、私は三国湊で生まれました。
 同じ年に自宅の近くにみくに文化未来館が出来て、母が頻繁にコンサートに連れて行ってくれました。
 コンサート会場が身近にあり、日頃から音楽イベントに参加していた事が、後の音楽を生活の糧とする下地になったように思います。
 福井ソアーベ児童合唱団(以下ソアーベ)に参加して、そこで歌うことを初めて経験しました。
 鷹巣ひかり保育園に通っていて、その保育園は自然豊かな場所にあって、裸、裸足で泥んこまみれになって遊んだり、四季折々の状況を取り込みながら生活していました。
 創造する力みたいなものを育んでくれて、それが思い出に残る幼少期です。


《2歳頃。自宅にて》


 ソアーベに入ったのはいつですか?

 幼稚園の時だったと思います。
 小学校の中学年ぐらいまで続けたと思いますが、その頃は歌を歌うことがそれほど好きではなくて、お稽古の後に飴を貰えてその飴玉欲しさに練習に通っていました。
 お友達と会えるのが楽しかったり、合宿があったり、遠征コンサートで東京や中国に行ったり、友達と一緒に遊べるのが楽しくて通っていました。
 この合唱団活動が、声楽活動の原点になります。


《ソアーベ活動時代。左里菜。中央が指導者の坪口純朗氏(故人)》

2.宝塚受験への準備


 中学校の時には合唱部に入らなかったのですか?

 本当は吹奏楽部に入りたかったのですが、人数が多くて希望の楽器が出来るかわからない状況だったのであきらめました。
 かわいいミニスカートがはけると思ってテニス部に入ったのですが、私の代からユニフォームが変わって結局履けずじまいでした。
 その当時は運動部で必死だったのと、宝塚受験に向けて準備を始めていました。
 宝塚は中学校3年生から受験できるので、中1は部活動、中2から宝塚受験に向けて色々と習い始めた感じです。


 その後高校に進学して歌を始めたのはいつからですか。

 宝塚受験には必要な3大要素があって、一つはバレエやモダンダンス、二つ目が歌、三つ目が面接です。
 受験スクールにこの3つが網羅されていたのですが、歌は児童合唱団でみんなで歌う以外にはやったことがなくて、どうしようかと思った時に出会ったのが小原先生(※)でした。
 そこから声楽への道が始まったという感じです。
 小原先生に習い始めてから歌うことが楽しいと感じ始めました。
 ※小原奈保美 坂井市三国町在住の声楽家。合唱団・声楽指導などにたずさわっている


 宝塚はいつぐらいから行きたいと思うようになったのですか?

 実は、宝塚は私の意志ではなくて、母の知り合いに宝塚が大好きな人がいて、その方からの影響です。
 「宝塚受けてみたら」という事をことあるごとに言われて、「一度受けてみるか」みたいな感じ。
 そんなに私自身は宝塚を見て「ここに入りたい」というような憧れの気持ちはなかったかもしれない。
 やっていることの延長かなという気がして受けてみることにしました。


 高1の時の三宅さんを知っていますが、「私は宝塚に入りたいんです」という気持ちを強く感じました。

 そうですね。
 すごく素直な所があって、言われたらその道に進もうと、思い込みも激しくて猪突猛進型だったと思います。
 親も周りも喜ぶだろうし、華やかな世界で面白そうだなと、きっかけは軽くて、目指すときは一生懸命でした。