7.音楽(声楽)を通して伝えたい事
先生が、音楽を教える中で大事に思う事、また心がけている事は何でしょうか?
音楽のジャンルにおいて、独唱やオペラは“言葉”という媒体を通して観客に直接的に訴えることができます。
それゆえに楽曲の解釈とか、発語方法とか、研究しなければならないことが多くあります。
そのことをしっかりと準備して公演に挑んでほしいと思います。
観客から「楽しかった」「感動した」などのコメントをいただいたときが一番嬉しいです。
美浜町の生涯学習センター「なびあす」にある子ども合唱では、立ち上げ時に関わらせてもらいました。
最初6人程度から始まりましたが、今では30人を超す団体になりました。
子供たちが小さいときから音楽を大好きになってほしいと思っております。
令和5年から3年間、若狭町のパレア若狭でミュージカル公演を実施しました。
仁愛女子高校の総合学習で取り上げた題材をもとにリメイクし、参加者をオーディションで選びました。
地元の小中学生や役場に勤務される方など、初めて歌唱や演技を経験する方も多く指導は大変ですが、大人と子供の交わり、地域の交わりなど和気あいあいとした雰囲気が良い交流の場となります。
仁愛でミュージカルを経験した教え子たちの協力を得て、毎回盛大な公演となりました。
みんなで、作り上げていく過程においての子供たちの成長は目を見張るものがあります。
私は現在、それらの指導からは手をひいて、若い方に引き継いでおります。
子ども合唱団でも、ミュージカルでも、公演を通して子供たち(出演者)が成長するのはもちろんですが、それ以上に指導者の成長が大事です。
是非続けていって、長く大きく育ってほしいと感じております。
8.音楽と共に歩んだ人生(これからの自分)
今、振り返って思うことは、本当に素晴らしい先生に出会ったこと。
そして、優秀な生徒さん達と出会ったことは私の宝です。
人生のなかで辛いことも沢山ありました。
そのたびに励まされるのは、岡田晴美先生がいつも話してくれた、
「小牧くん。音楽は決して裏切らないよ」
という言葉です。
私の大好きな歌曲でシューベルトの歌曲で「An die Musik(音楽に寄す)」があります。
「どんな辛いときでも、いつも音楽が寄り添ってくれる、そんな音楽に私は感謝する!」
という歌詞ですが、それは、まさに私の人生そのものです。
《女声合唱団ブルーメンコアの定期演奏会にて、増田朱紀と》
本当に音楽とともに歩んでこれて良かったと思います。
私は今、70歳を目前として、小学校の講師をしています。
こんな年寄りを必要としてくださることは感謝です。
小学生に教えていて思うのは、子供たちが本当に歌う事が楽しいと感じてくれているみたいで、
「次これが歌いたい、あれが歌いたい」と自分たちから言ってくれます。
中学校でも音楽の授業はありますが、楽しいと感じながら歌う生徒は少なくなってゆきます。
歌う事が楽しいと思う気持ちを大事にしながら、
子供たちに「音楽の楽しさ、素晴らしさ」を伝えていきたいと考えております。
【2025.3.26 インタビュー】