【主催】令和2年度第7回さかい九頭竜音楽コンクール(審査結果発表/全体講評掲載)10/9更新

結果及び審査員による全体講評を公開しました

次代を担う若い音楽家の育成と演奏の機会を設ける事で、坂井市の音楽芸術の発展と普及に貢献することを目的として開催される「さかい九頭竜音楽コンクール」

さかい九頭竜音楽コンクール 審査結果

10月3日結果発表(ピアノ部門・弦楽器部門)
特別賞受賞者

10月4日結果発表(打楽器部門・管楽器部門・声楽部門)
特別賞受賞者

【会場】
 坂井市みくに市民センター みくに未来ホール

【審査員】
 石川哲郎(ピアノ)
 鶴見 彩(ピアノ)
 千葉純子(弦楽器/ヴァイオリン)
 小濱妙美(声楽/ソプラノ)
 押川浩士(声楽/テノール)
 小林志穂(管楽器/フルート)
 中谷 満(打楽器/ティンパニー)

審査員全体講評

例年は審査後のステージ上の結果発表時に行っておりました、審査員の全体講評ですが、本年はコロナ禍の影響に伴い審査発表をWEB上でのみ行いました。
そのため審査員の先生による全体講評もWEBにて公開いたします。
ぜひ参加者の皆様はお目通し下さい。

石川哲郎(ピアノ)

 今年もご参加の皆様の熱心な演奏を聞かせていただきまして、ありがとうございました。今年度は昨年度にも増して皆様の演奏水準が一段と高まったように感じられ、とても嬉しく思いました。
個々の演奏に関しての印象はメモ書きの形で既に皆様のお手元に届いていると思いますので、全体講評はとおして聞かせていただいたなかから、少し気になった点について述べたいと思います。

1)いわゆるクラシック音楽は「悠久」に流れる時間を「音」という素材を用いて、さまざまなテンポやリズムで「切り取る」ことから成り立つています。ですからリズム表現の的確さとテンポの一貫性がとても大切です。今日はこのことの「乱れ」が少し気になることがありました。これの解決方法としては何よりもメトロノームの使用が効果的と思います。これによって「拍子の感覚」と「リズムの正確さ」そして「テンポの一貫した流れ」の把握が身につきます。ただ、演奏は「気持ちの表れ」ですので、当然変化するものですから、メトロノームの使用が「機械的で無味乾燥な」表現を目指すものでは決してありません。

2)前後の音楽の流れとはかけ離れた「極端に」強い音(衝撃音や打撃音)、不必要に「突出したなアクセント」が聞こえてくることがありました。音楽表現には「自然さ」が不可欠です。殊更な強い音での表現も避けた方が良いでしょう。作曲家は自身のアイデアを音符だけではなく、文字や記号も用いて楽譜上に記しています。ですから私たちは注意深く楽譜を検討して作曲家の意図を汲み取って表現する必要があります。

3)2)との関連でいうと、標題がついている作品ではまず最初に表題の気分を感じる必要があります。そして標題のない作品(純音楽)でもそれが書かれた時代の様式、また作曲家の表現様式などを考えてみる必要があります。(自分勝手な)「出会いがしら」のような演奏は出来るだけ避けるべきです。常に「音楽的」に表現することを心がけましょう。

4)多くの作曲家が演奏表現について「自然に」(ドビュッシー)とか「シンプルに」(ショパン)といっています。バッハも鍵盤音楽の表現に「カンタービレ」を意識するようにいっています。演奏は自己表現ですので、自分の気持ちを大切にして、それを「裏切らない」演奏を目指しましょう。その意味において、今日も曲の意図を汲み取って、曲に同化した素晴らしい演奏に出会えたことは大きな喜びでした。

また九頭竜音楽コンクールで皆さんにお目にかかることを楽しみにしています。今日はありがとうございました。

鶴見 彩(ピアノ)

 今年は大変な状況の中で、練習や準備にも苦労する時期があったと思いますが、むしろ音楽と向き合って取り組んでいたような素晴らしい演奏を聴かせていただきました。
 本番という緊張感もある中で音の響きを作る事はなかなか難しいかもしれませんが、ホールでより音を響かせられるよう、普段から聴く意識を養ってほしいなと思います。また、年齢が上がると曲も難しくなってきますが、弾くことだけにとらわれ過ぎず、作曲家が表現したかった事をご自身それぞれの想像力を持って楽譜から読み取り、演奏に反映させていくことがより大切だと思います。
人前で演奏することは、練習では得られない勉強ができ、大きな成長があります。今回の経験が次に繋がりますよう、願っています。

千葉純子(弦楽器/ヴァイオリン)

 コロナ禍でのコンクール開催にあたり、事業団スタッフの方々も大変なご苦労があったことと思います。学生の皆さんにとって、大切な勉強の機会も色々中止になった中でのコンクール開催は、大きな励みになった事と思います。
このような中でも、皆さんがコンクールに向けてしっかりと準備をしてこられ、素晴らしい演奏を聴かせてくださったことを嬉しく思いながら、審査させて頂きました。

 ピアノ部門では、小さなお子さんの中にも、音に対する高い意識を持って演奏されているお子さんがいて驚かされましたが、全体評としては、なかなか響きが届いてこない印象を多く受けました。
自分の目の前で鳴っている音だけを聴いているだけでなく、大きなホールで空間を意識して音作りをすることにより、さらにスケールの大きな演奏になるのでは、というコメントを多く書かせていただきました。
もちろん本番時のみだけではなく、いつもお家で練習する時からその意識はとても大切です。
 弦楽部門は少ない人数ではありましたが、演奏を聴かせて頂けたことを嬉しく思いました。弦はピアノと違い、まず音程を自身で作っていかなければならないという難しさがあります。毎日のスケールの練習はとても重要になります。
これに加え、エチュードやヴィヴラートのエクササイズ等、曲を練習する前に毎日の習慣にしてほしいと思います。

 これからもさらに、音に対する美意識を高め、基礎練習を怠らず、音楽に対する情熱を持ち続けていってほしいと願っています。
皆さんの演奏をまたどこかで聴かせていただけることを楽しみにしております。

小濱妙美(声楽/ソプラノ)

 コロナ渦にもめげず、第7回さかい九頭竜コンクールが開催され、無事に、そして盛大に終了した事を心よりお喜び申し上げます。
事務局の皆様の多大なご配慮のおかげだと、改めて心より感謝申し上げます。

 私は先ず、コロナ影響を受けて不自由・不便な生活の中、日々努力を重ね、今回のコンクールに勇気を持って挑戦してくれた沢山の音楽大好き人間達に拍手をおくりたいと思います。私は、打楽器、管楽器、声楽部門の審査を務めました。
どの部門においても、個々が真剣に音楽と向き合い、演奏に喜びを抱き、フレッシュなパフォーマンスを披露してくれました。
とりわけ、声楽部門の幼稚園年中さんの演奏は大きな衝撃と感動を我々に与えてくれたと思います。
コンクールなので結果が出てしまう訳ですが、若者達にとって、憧れの素敵なホールで演奏しきった達成感は、この上ない宝物だと感じてくれたことでしょう。
そして、このコンクールが目指す若い才能の発掘&育成、さかいからせかいへ!、この言葉の通り、無限大の可能性を秘めた入賞者達でした。心からの感謝と共に、出場してくれた皆様の今後の成長を期待してやみません!

押川浩士(声楽/テノール)

 全体的にコンクールのレベルは高いと思います。
様々な楽器がありますが、共通して言えるのは、まず、その楽器の基本となる音が出せているかどうかです。
楽器によって、叩けば音の出るもの、音を出すこと自体が難しいもの、様々ですが、その楽器の持っている最も響く音を出せているかどうかが重要です。
まずは、自分の楽器がしっかりならせるように、日々の練習を頑張りましょう。
楽器の持っている響きが存分に出せるようになったら、今度は音楽の表現です。
テクニック的に難しい箇所の練習はもちろんですが、音を並べただけにならないようにしましょう。
ピアニストの掛け合いであったり、作曲家の思惑を汲み取って、ホールという空間の中で、客席に向かって表現する。
これが音楽の醍醐味です。
演奏される曲を初めて聴く人でも、その曲の背景や楽しさが理解できるように、情景や楽曲の持つ魅力を自分の音楽として表現してください。
素晴らしい演奏というのは、プロ・アマチュアを問わず、聴く人の心を動かすものです。

どうか、皆様の中にいつまでも音楽があることを願っております。

小林志穂(管楽器/フルート)

 コロナ禍の中、若手演奏家の皆さんは人前で演奏したりコンクールにチャレンジする場がぐっと減ってしまいました。
そんな中でこの福井県坂井市では随分前から感染対策や細やかなご準備をされてこのコンクールが実現されました。

 最年少は愛くるしい5歳の年中さん。
年齢差を越えて大人と同じステージで平等な審査を受けるのも、このコンクールの醍醐味かも知れません。
今後の大きな自信に繋がっていくことでしょう。
一人一人、どの演奏もとても魅力的で、瞬きするのも惜しいくらい本気で聴き入りました。
生き生きと伸びやかに各々の音楽を奏でるその姿勢は、音楽への愛を感じ大変心を打たれました。
点数というもので賞が決まってしまったものの、それぞれ全員が素晴らしく輝く何かを持っていました。
沢山練習もしたことでしょうし、ステージ上ではそれぞれの精神的な経験もしたことでしょう。
このコンクールのチャレンジで得たものは必ずありますし、私の経験上、間違いなくレベルアップしているはずです。どうか自信を持って今後のステップにしていただきたいと思います。

 真剣にやればやるほど行き詰まったり、辛いこともあるかと思います。
そんな時は音楽を志した動機や、ご自分がなぜ音楽をしているのか目的を思い出してみてください。
音楽が好きだからですよね!
それを忘れずにこれからも進んで欲しいと思います。

 長い自粛期間の後にも関わらず、大変レベルの高いコンクールでした。
こういった若手演奏家が全国へ世界へ、福井県から素晴らしい音楽を発信して欲しいと思います。

中谷 満(打楽器/ティンパニー)

 第7回さかい九頭竜音楽コンクールの審査に参加させていただき、この開催を大変意義深く感じました。
本年3月より、コロナ対策による自粛や自主規制により、夏の吹奏楽コンクールや、多々のコンクールやコンサートの開催延期や中止の中、こうして万全のコロナ対策を踏まえ、開催された事、本当に感謝いたします。開催にあたり、主催者のご配慮に敬意を表します。

打楽器部門5名、管楽器部門16名、声楽部門16名の審査に参加させて頂きました。
先ず、打楽器部門ですが、参加者の皆さんの奏法の安定感、基礎の充実に、感心いたしました。撥の選び方、打法と、とても研究され、音質、音色感の良い演奏でした。
更に今後、ソロ曲に於いては、更なるフレーズの研究、と間や呼吸感、伴奏を伴うときは、伴奏者とのtempoや音量などのバランスなど配慮し、アンサンブルに取り組んで下さい。
管楽器においては、各演奏者、の日頃の成果の出た演奏でした。更に日々のスケール、ロングトーンなどを中心とした音創りに努め頑張ってください、
声楽部門は参加者の多彩な年齢層、皆さんのその説得力のある演奏にに魅了されました。

演奏家は日々の積み重ねがとても重要は事だと、この年になり改めて感じています。
常にに基礎力の充実に努め、音楽を楽しみ、多くの聴衆に感動を与えられるよう、
共に精進していきましょう。本日はお疲れ様でした。